マキリキっ!

「「────えぇえええ⁉」」


夏に近づきつつある、むしむしとした夏のある日。
占い師兼巫女業をしている女性・リキは、彼氏であるマキの家にお邪魔していた。
マキの家には、任務が無かったらしいマキの弟・愛が、恋人のマルと一緒に居た。
それだけならまだ良いのだろうが、愛とマルは、リキと面識があるだけとは言わず、正しく友人関係にあった。
そのため、マキが二人にリキを彼女だと紹介したときに、つい驚きの声を上げてしまったのだ。二人揃って。
そんな二人に、リキは、(あぁ、やっぱり驚きますよねぇ…)と思い、マキは(なんで二人は驚いてるんだろ?)と考えていた。

「え、ちょっ、いつから⁉」
衝撃から立ち直った愛が、マキに詰め寄る。
「いつからって、最近?」
そんな弟に、マキはなんでもないかのように、そう告げる。
「最近って・・・。リキさんに会ったの、最近じゃない、よな・・・・?
曼珠沙華と知り合いなんだし」
「うん。リキさんは俺の初恋の人だけど?」
ブツブツ言う愛に、マキはきょとーん。として、答える。
「え"。・・・・ってことは、7年、だよな。兄貴がリキさんに惚れてから・・・・」
「そっか、そんくらいかー」
うわぁ・・・。と遠い目をしている愛と対象的に、マキはニコニコと笑って同意する。
「な、なんで7年も経ってから、付き合い出したんですか・・・・?」
オロオロとしたマルが、控えめにそう尋ねる。
「・・・・あぁ!交際ってのは申し込むものだと知らなくって!」
「「・・・・え?」」
あっけからんと言うマキに、またしても二人の声が揃う。
「ふふ、とてもマキさんらしいですよね」
くすくすと、リキは口元に手を当てて微笑む。
「とりあえず、付き合うことになったので、愛さんに、報告しておこうかと思いまして」
「あ・・・・はい。
・・・・俺に報告にきたってことは、レイさんには、もう言ったのですか?」
愛が言うレイとは、リキの弟で祈祷師をしている、少しシスコン気味の人物だ。
「えぇ。昔なら認めてくれなかったでしょうけれど、レイも恋人ができて、丸くなったから」
良い傾向だわ。とふわんと笑って、リキはそう言う。
「レイ君にはねー、「・・・曼珠沙華様以外で姉さんが目を見て話すのは、貴方だけだ。・・・・貴方になら、任せられる」って言われたー♪」
リキに続き、マキが嬉しそうに補足する。
マルは(ずいぶん上からだなぁ…)と思ったけれど、黙っておく。

「・・・・とにかく、おめでとう」
「おめでとうございますっ!」

「「・・・ありがとう、二人共」」

揃った声に、二人は頬を染めて微笑みあう。

────夏は、長い。



よしっ、書けた!
付き合い始めたばっかのマキリキ報告編!w
シャゲ・レイ・天への報告編もいつか書きたいなぁ・・・・。