バレンタイン企画第二弾
バレンタイン。
恋する女の子が、想いを伝える日。
この日、俺はー。
「レイ?」
「・・・・・姉さん」
去年のことを思い起こしていると、体からチョコレートの甘い匂いをさせた姉さんこと・・・・リキが声をかけてきた。
ぼおー。っとしている俺を不思議に思って、声をかけずにはいられなかったのだろう。
「あ・・・・・ごめんね、レイ。
チョコレート・・・・・甘いもの、苦手だったわね」
「・・・・・かまいません。
俺がスイーツを口にするのは、一年で一度。
バレンタインだけですから」
申し訳なさそうに俺を見る姉さんに、少しだけ目元を和らげて、そう返す。
バレンタイン。
その日は、男にとっても大切な日だと、世間ではされているが、俺にとっては、ああ、もうそんな時期だったのか、程度だ。
しかし、甘味が好きな曼珠沙華様に付き合い、この日だけは甘いものを口にするようになった。
そうはいっても、カカオ60%程度が俺の限界で、あまったるいものはごめんなのだが。
それは姉さんも承知で、ビターチョコレートを用意してくれる。
「レイは・・・・・今年も誰かからもらわないの?」
「俺にあげるような、物好きはいませんよ」
姉さんの問いに、少しだけ、胸が騒ぐ。
しかし、祈祷師という職業柄、若い女性に会うような機会はないし、片目を隠していることに加え、生まれつき付いている目の下の模様を不気味に思う人も少なくはない。
きっと、一生俺は独り身のままだろう。
姉さんはきっと、将来舞姫さんと契るのだろう。
俺は、一人になる。
「でも、幸せですよ、俺は、ずっと―」
レイは・・・・姉以外の女性に不信感持っていると私は思ってる。
この子はきっと受け。
・・・・・まあ、幸せになるんじゃないかな?CPとかいないけどwwww